09月07日付 朝日新聞の報道「阪大教授らの論文に「疑問」 共同執筆者の1人が自殺」へのコメント:

個人的に見逃せないニュースが続いてしまった。

大阪大大学院生命機能研究科(大阪府吹田市)の教授らのチームが専門誌に投稿した論文について、同研究科の助手(42)ら複数の共同執筆者から「データに疑問がある」という指摘が出され、大学が8月初めから調査をしていることが分かった。この助手は今月1日に自殺しており、大学は関係者から聞き取り調査を進めている。


自殺と論文疑惑との関係はまだ分かっていないらしい。
本当に関係が無いのだったとしたら私の感想は全然別の物になると思う。だから、この感想はあくまでもこの事件とは別の物としておきたい。また、捏造そのものに関しての感想ではない。

研究室の中での力関係は、当然上から順番である。だが、助手はある意味学生よりも厳しい立場に置かれる。学生は「学生」であり、「社会人」としてずっとそこで働いて行かねばならないということはない。嫌だったら民間に就職するなり、公務員になるなり、皆研究室を去っていく。

しかし、助手は「職業」である。そこには生活がかかっている。ドクターを経て、ポスドクを経て、その他色んなところで研究員をやったり非常勤講師をやったりしながら転々としてやっと得た助手の座(愚策・ポスドク1万人計画により、状況は更にシビアに)。そうして、研究の世界で自分が生き残っていくには、上司との関係は非常に重要だと思う。助手は大体が任期付きであり、その後自分がどこで働くのか、どんな身分になっているのかには、本人の実力と同様に「コネ=人脈」、「教授のプッシュ」が必要だろう。

だから助手という立場の方が亡くなったことに関して色々邪推してしまう。パッと見ただけでは、「何だ捏造くらいで自殺するほどのことか」という印象も受けてしまうが、研究(室)の世界とは、「このような問題が研究者としての将来にまで影響してしまう世界」に見えてならない。この場合の将来とは、「捏造で経歴に泥がついた」ことだけではなく、もっと裏、コネと人事異動的な問題。私も考えすぎなのか?

「疑問」と自殺の関連が分からない以上、全ては邪推にしか過ぎないが。阪大は最近色んな事件が相次いで起こったので、随分イメージを落としてしまったのでは。他の真面目な研究者の方々には名誉挽回をしてもらいたいな、と思う。

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