現在を生きる

2006年10月24日
I look to the future because that’s where I’m going to spend the rest of my life.
- George Burns(アメリカの喜劇役者)

(訳)
私は未来の方を見つめる。
なぜならそこで私は残りの人生を送ることになるからだ。

look to には、…の方を見る以外にも、
…を当てにする、頼る ((for))、…を待ち望む、…に気をつける
など、様々な意味がある。

だけど、ここでは単に「見る」の意味かな。
「期待する」なのかも。

断片だけ見つけてメモしていたので、前後の文脈から判断できない。

いつも引用してくる言葉は、共感してメモしていることが多い。
だけど、これは自分にとっては、少し何か違うかもしれない。

それは、今何を思って生きるか、という生き方の解釈である。
何だか文章にすると仰々しいな…。
先を考えるか、今を考えて生きるか。

過去を振り返りすぎるな、という警告であるとしたら、
私は上の文章に大賛成である。

しかし、先を見るとは、どの程度なのだろう…。
きっと、George Burnsの「今」は、
以下のようなことを考える必要も無いくらい充実しているのだろう。

自分はどうなんだ…。

親のせいにするつもりはない。
今を見ないで先を見る。先に頼る。
全て一人でやってきたことだ。

勉強を重視する家庭だったから、
お勉強してテストで良い点を取れば親は機嫌が良く、
褒めてもらえたし、自分も安心できた。

お勉強=良いことという等式はインプットされていたが、
何のために勉強するんだろう、とはときどき考えることがあった。

勉強のために遊びに行かせてもらえないとき、
読書しているときに勉強しろと本を取り上げられたとき、
テストでミスがあり、家に入れてもらえないとき、等…。

塾などに通ったことは無いので、勉強時間は自分で設定しなければならない。
根がだらけ者なため、勉強には自分を律する心が必要なことが多かった。

何のために、の結論はいつも、
「今頑張っておけば、将来良いことがある。」

今やっていることは、直接今楽しいことばかりでは無い。
苦手で好きになれない科目は勿論あるが、自分を律して頑張れば、必ず将来良いことがあるに決まってる。

まあ、その考えのおかげで、
テストの点は取れる子供に仕上がったと言えるだろう。
そうして、
今頑張って高校に入れば、
今頑張って大学に入れば、
大学院に入れば、…。

勉強だけでは無い。
先のためと称して我慢する癖がついている。
それで自分は真面目なんだ、
見ていろ、先に行って報われるんだ、
と思って安心している。
遊んでいる周囲の友達を、内心で軽蔑しさえしたことがあった。

それで、何が残ったか…?

今を生きていなかったとは言わない。
だけど、常に無理なこと、辛いこと、苦手で本当はやりたくないこと、それらを全て「これから先のため」に抱え込むのはおかしかったんじゃないか。

大人になったらきっと良いことがある、報われる。
だからって、一度しか無いその時を楽しまなくてどうするんだ。

「欲しがりません勝つまでは」、では無いが、
「今は我慢して頑張り続けなさい、
そうすれば未来に良いことがあります」

そういう声をずっと聞いていたと思う。

その結果、今すごく楽しくて幸せなんだ、
という気持ちが随分忘れ去られていたのじゃないか、
と時々思う。

この先いつか、じゃなくて今が楽しいと生きること…。
楽しかった気持ちが無いわけじゃないが、
それでも、抑え付けた中での楽しさと言うか、ハジケてない。

高校生や学部のとき、そうであったらよかったなあ。
今だってそうなれたらと思う。

こう書くとまるで私は被害者のような感じだが、実は違う。
要は、そのとき感じた事の片付けをしていないのだから。
耐えていれば、先に良いことがあるというのが、逃げ口上になっている。
疑問に思ったことがあるなら、なぜそれをじっくり考えなかったのか。

George Burnsは「今」と「未来」を問題にしているのではなく、
「過去」を見すぎるな、それよりは「先」を見よ、と言いたいのだろう。「今」を見つめる事は勿論必要だ。
要はバランスか。

この引用で、上のようなことを引き合いに出すのは間違っていたかもしれない。
文も頭の中身もごちゃごちゃになってしまった。
これではまるで、もつれっ話(は、ルイス・キャロルのお話だけど)だ。

Burnsの言葉を、自分向きに書き換えるなら

I should face the present time,
because this is just where I’m living right now.

というところか。

今も楽しんで、日々を過ごしたい。
『少女パレアナ』みたいに、「何でも喜ぶ遊び」をすればいいのかな。

だけど、私は大人だ。
もうあまりに年を取ってしまった。

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