ボロお風呂の奇妙な訪問者
2007年10月16日コメント (3)寮のボロ風呂がとうとう改築されることになったので、労をねぎらう意味も含めて、風呂のことを書こうと思った。
新しく出来るお風呂は、相当綺麗になるようなので楽しみだ。
今までは正直ひどかった。よく頑張ってくれたけど、柱は下部分が腐って崩れているし、脱衣所の床下も腐敗していたらしい。
木造の隙間から寒風が吹き込み、真冬はとてもじゃないがゆっくり体を洗っていられない。
さすがと言うか、換気だけは非常に良く壁にカビが生えたことはなかった。
しかし壁にはうっすらと藻類が生えていた。
それを食べにナ○クジ(字面までキモいのは何故だろう)がやってくる。素足で踏んでしまった時は、身の毛がよだつ思いだった。
こんなこともあった。
7月、お風呂の扉を開けると、壁に黄色いものがへばりついている。
南方熊楠ファンなら喜ぶだろう、彼らは粘菌だった。
粘菌は観ていると結構面白い。
寮にお出でになったのは、形態からするとキフシススホコリ(画像:http://tinyurl.com/2yzeom )で、生活環では変形体のphaseにあった。
翌日にはアメーバのように更に拡がり、その次の日に子実体を形成し、あっさりと居なくなってしまった。
胞子を飛ばしていなくなってしまったのだ。
随分お早い御発ちで、と思った。
A rolling stone gathers no moss.
菌に成功があるとしたら、子孫の繁栄だけだしね(全生物かも)。いつも環境を変えるのもいいことだろう。どうせトレードオフ。
彼らは一年に一回現れた。
綺麗な風呂は確かに嬉しい。
出来れば断熱効果が良く、真冬でも入れるようになって欲しい。
でも、今まで数え切れない学生の面倒を見てきたボロ風呂がなくなるのは、ちょっと寂しい。
何せ今教授になっている人だって、学生時代世話になってたりするんだから。歴史を見てるよ。
ボロい古いものになぜか愛着が湧いてしまう心理にも、分析や説明が色々行われているのだろう。
心理の裏側なんて知りたくもないが、風呂が取り壊されているのを見るのは、ちょっと寂しかった。
新しく出来るお風呂は、相当綺麗になるようなので楽しみだ。
今までは正直ひどかった。よく頑張ってくれたけど、柱は下部分が腐って崩れているし、脱衣所の床下も腐敗していたらしい。
木造の隙間から寒風が吹き込み、真冬はとてもじゃないがゆっくり体を洗っていられない。
さすがと言うか、換気だけは非常に良く壁にカビが生えたことはなかった。
しかし壁にはうっすらと藻類が生えていた。
それを食べにナ○クジ(字面までキモいのは何故だろう)がやってくる。素足で踏んでしまった時は、身の毛がよだつ思いだった。
こんなこともあった。
7月、お風呂の扉を開けると、壁に黄色いものがへばりついている。
南方熊楠ファンなら喜ぶだろう、彼らは粘菌だった。
粘菌は観ていると結構面白い。
寮にお出でになったのは、形態からするとキフシススホコリ(画像:http://tinyurl.com/2yzeom )で、生活環では変形体のphaseにあった。
翌日にはアメーバのように更に拡がり、その次の日に子実体を形成し、あっさりと居なくなってしまった。
・・・多くの変形体は進行方向に扇状に広がった網目構造で、その網の脈の断面の中心は液状の原形質が充填されている。
そして、全体をポリガラクトースを含む粘液物質が覆い、細胞を乾燥から守っている。
変形体が移動をやめて静止すると、先端の扇状の形はくずれて全体がほぼ均一の網目状となり、脈のあちこちで原形質が集まり始める。
ほぼ同じ大きさの原形質の小塊に分割されて集まり、おのおのが子実体を作りはじめる。
(萩原博光・山本幸憲 日本変形菌類図鑑 平凡社刊より要約)
胞子を飛ばしていなくなってしまったのだ。
随分お早い御発ちで、と思った。
A rolling stone gathers no moss.
菌に成功があるとしたら、子孫の繁栄だけだしね(全生物かも)。いつも環境を変えるのもいいことだろう。どうせトレードオフ。
彼らは一年に一回現れた。
綺麗な風呂は確かに嬉しい。
出来れば断熱効果が良く、真冬でも入れるようになって欲しい。
でも、今まで数え切れない学生の面倒を見てきたボロ風呂がなくなるのは、ちょっと寂しい。
何せ今教授になっている人だって、学生時代世話になってたりするんだから。歴史を見てるよ。
ボロい古いものになぜか愛着が湧いてしまう心理にも、分析や説明が色々行われているのだろう。
心理の裏側なんて知りたくもないが、風呂が取り壊されているのを見るのは、ちょっと寂しかった。
コメント
流れるような日記の出だしはめっちゃ興味深く入り込めるねー思わず何かコメント残していきたくなる。
お風呂か〜
隙間風が換気だったなんて!
我が家もドアやふすまの隙間が・・・
換気の面からするととってもいいわ!!
なんて(TOT)
隙間のないドアはきしむし、左右に引く戸は滑り悪いし(TOT)
我が家きっとちきの寮と良い勝負なボロ屋敷(笑)
築10年程度なのに〜
私はボロいのはあまり好きではありませんが,古くてもきれいな物,ちゃんと機能して使える道具などは好きです.修理して使えそうだとつい修理してしまいますね.おかげで古い物が捨てられなくて保管場所がなくなって困っています.
照れるからそんなこと言わないでー!!
菌のところは特に、自分的備忘録だから^^;
平べったい菌が、そのうち丸まってくるのが面白いなー、と。
この寮(本当は寮じゃないんだけどね)は建物自体相当な歴史的建造物だから、お風呂もですわ(笑)
くまの家とは比べ物にならないよ。
冬を越すのは普通の部屋でも厳しい・・・。
でも大昔の建築って、土台はしっかりしてて崩れないよ。そこはすごいと思う。
関東地方北部どうし、お互い越冬頑張ろう!!笑
脳外科医さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
日記を何度か読ませていただいたことがあるので、嬉しいです。
粘菌は生態、生理、分類、その他どの面からアプローチしても非常に面白いのではと思います。今も謎の部分が多そうです。
お風呂ですが、愛着を込めてついボロという言い方をしてしまいました。お風呂の名誉のために弁解します(笑)寒くて古くても、しっかり使えました!腐ったのは柱だけです(でもそれじゃダメですね)。古きよき友達のような感覚です。
脳外科医さんは道具を大切にされているんですね。
私はつい新しいモノに浮気したり、その癖古い物も大切に思ったりしています。どっちつかず、かつ中途半端です(汗)